相続の知識

2011年8月18日 木曜日

相続と民法 その13 相続財産③

遺産分割が行われるまでの間の相続財産の扱いです。

(共同相続の効力)
第898条 相続人が複数あるときは、相続財産は、その共有に属する。
第899条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継す
       る。

 被相続人の死亡により、相続が開始すると、瞬時に被相続人に帰属していた財産の一切が相続人に移転することになります。このとき、複数人の相続人等が存在する場合に、遺産分割が行われるまでの間の相続財産の帰属について、民法は相続人等による共有である旨を規定しています。また、あわせてその相続分に応じて権利義務を承継する旨も規定しています。
 遺産の共有は暫定的な状態であって、最終的には遺産分割を行い、相続人の個人財産に属することとなります。


☆相続に関する初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年4月25日 月曜日

相続開始後の資金管理

相続開始後、遺産分割が確定するまでの資金管理

 被相続人の死亡通知を受けた金融機関等は被相続人名義の預貯金を凍結します。
 よって、通常、相続人は金融機関等が要求する必要な手続きをすることなしに引き出しができなくなります。
 相続人が一人もしくは少人数等で、すぐに遺産分割協議が整うのであればよいのですが、預貯金以外の遺産や債務の確定作業に時間がかかり、時間がかかる場合があります。
 そのような遺産分割協議が整うまでの期間中、賃貸収入等の入金や種々の支払いが発生する場合には、相続人の誰かが管理しなければなりません。しかし、相続人の自己資金とは、区別する必要がありえます。
 こうした場合には、「被相続人▲▲ 相続人代表△△」名義の口座を開設し、この口座で入出金を管理します。通帳が簡単な管理帳となり、他の相続人に対して説明責任を果たすことができます。
 管理する相続人自体に当初の資金がなければ各相続人一律で、この口座へいくらか預け入れるのも一つの案です。
 

☆相続に関する初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。




投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年4月 7日 木曜日

相続と民法 その12 相続財産②

相続財産についてのニ回目です。

(祭祀に関する権利の承継)
第897条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に
       従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指
       定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継す
       る。
     2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承
       継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 系譜・・・一般的は家系図等を指します。
 墳墓・・・一般的には墓石・墓地等を指します。

 祭祀財産は、一般の相続財産の範囲から除外され、相続による承継によらないものとしております。すなわち、法律の規定による特別の承継となっております。
 祭祀財産は相続財産ではないので、相続分や遺留分の計算の算定における考慮や、限定承認における換価による弁済義務もありません。また、相続放棄した者が祭祀財産を承継することも可能です。相続税においても祭祀財産は課税資産になっておりません(一部例外を除く)。
 なお、祭祀の承継者と定められた者が祭祀財産の承継の辞退や放棄はできませんが、承継した後に祭祀財産の処分や所有権の放棄は可能です。
 承継する者が当事者間で協議できない場合は、家庭裁判所がこれを定めることとなっております。

☆相続に関する初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。



投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年2月28日 月曜日

相続と民法 その11 相続財産①

相続財産についての一回目です。

第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利
       義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限
       りではない。

 相続人は、原則、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。
 いわゆる所有権や、借入金等の債務だけではなく、被相続人が売主だった場合の瑕疵担保責任や過失などの具体化されていないものも含まれます。当然に、保証人の地位も含まれます。つまりは、相続人は、被相続人の財産上の地位そのものを承継するのです。
 ただし、若干の例外もあります。
 例えば、被相続人の一身に専属する権利義務です。
 最近ではゴルフプレー権が一身専属というものを見かけるようになりました。

☆相続に関する初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。




投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年2月21日 月曜日

相続と民法 その10 廃除

 相続人の廃除とは、相続人に欠格ほどではないが一定の事由があり、被相続人がその者に相続させることを希望しない場合に、被相続人の申し立てにより、家庭裁判所がその者の相続権を失わせる制度のことです。

第892条 遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこ
       れに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行
       があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に
       請求することができる。

民法における廃除事由は、①被相続人への虐待、②被相続人への侮辱、③推定相続人にその他の著しい非行があったとき としています。よって、一時の感情にかられた言動程度では、廃除が認められないこととなっています。


☆相続に関する初回のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。





投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年1月31日 月曜日

相続と民法 その10 欠格

 相続人となるべき者に重大な事由があって、相続させることが妥当でないと考えられる場合があります。このような場合に、相続権を剥奪し相続人である資格を失わせることを、相続欠格といい、これに該当する相続人を相続欠格者といいます。

民法で定めている事由は5つです(限定列挙であるため、同視される行為があっても欠格事由にはなりません)。
①故意に被相続人又は相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに
 いたらせ、又はいたらせようとしたために刑に処せられた者。
②被相続人の殺害されたことを知って、これを告発・告訴しなかった者。
③詐欺、脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、又は
 これを変更することを妨げた者。
④詐欺、脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ
 又はこれを変更させた者。
⑤相続に関する被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、又は隠匿した者。

欠格事由があると、相続人は、特別な手続き等をせずに法律上相続権を失います。

また欠格事由が発生した場合には、相続欠格者の子は代襲することになります。


東京都内で相続、贈与でお困りの方は、神田の税理士法人早川・平会計までお問い合わせ下さい。無料相談実施中です。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年1月21日 金曜日

相続と民法 その9 代襲

今回は代襲について解説します。

 代襲(相続)とは、相続開始前に相続人となるべき者が、死亡その他の理由により相続権を失った場合に、その者の直系尊属が、その者に代わって同一順位で相続人となり、その者の受けるはずであった相続分を承継する制度です。

 これを具体的に言い替えますと、父が無くなる前に、その子が先に死亡してしまった場合において、その子の子(父からみて孫)が、子になり代わって父の相続人となり、本来は子が承継する遺産等を孫が承継する仕組みです。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年1月14日 金曜日

相続と民法 その8

相続人の最終回です。

第890条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887
       条(子及びその代襲者等の相続権)又は前条(直系尊属及び兄弟姉妹
       の相続権)の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同
       順位となる。
       ※( )内は加筆しております。

 配偶者は、血族相続人とは別個に、常に相続人となります。血族相続人が存在しなければ、配偶者は単独で相続人となり、子・父母等・兄弟姉妹等の血族相続人が存在すれば、これらの者と同順位で相続人となります。
 重要な点として、配偶者の要件は、法律上の婚姻関係にあることが必要事項で、内縁関係は含みません。
 これは相続の財産の帰属を、婚姻の届出という明確な基準に従って、区別すべきであるとするのが根拠と考えらております。

法律上の婚姻ではなく、内縁関係を認めるとすると、内縁の妻もしくは夫が複数いた場合には紛争が起こりかねませんね。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年1月 7日 金曜日

相続と民法 その7

新年は、相続人の3回目からです。

第3順位の血族相続人は兄弟姉妹となります。兄弟姉妹が複数いれば、それぞれ同順位で相続します。
ただし、父母を同じくする兄弟姉妹と、父母の一方を異なる兄弟姉妹がいる場合には、相続分はことなります(この件は改めて)。

兄弟姉妹の直系卑属(この場合は、被相続人からみて甥姪等)のみが相続人である場合は、その者が兄弟姉妹の代わり(代襲)に相続することとなります。なお、兄弟姉妹の代わり(代襲)に相続できるのは兄弟姉妹の子に限られており、兄弟姉妹が既に死亡・兄弟姉妹の子も死亡・兄弟姉妹の孫は存命という場合であっても、兄弟姉妹の孫は相続人となれません。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月22日 水曜日

相続と民法 その6

 前回の続きです。

 第2順位の直系尊属については、父母も祖父母も相続権を有しております。
 但し、直系存続の間においては、親等の近い者(親等数の少ない者:1親等は父母、2親等は祖父母ですから、ここでは父母を指します)が、遠い者(ここでは祖父母を指します)に優先します。つまり、父母と祖父母が存命でしたら、祖父母は相続人にはなれません。
 親等数が同じ場合には、同順位で相続人となります。例えば、実父母と養父母や、父方の祖父母と母方の祖父母といった場合です。
 なお、直系尊属は血族に限られますので、姻族(配偶者の血族)を含みません。すなわち、嫁の父母には相続権はないということです。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月18日 土曜日

相続と民法 その5

相続人について民法の考え方は、法定相続制を採用しており、被相続人が勝手に相続人を指定することはできません。

規定を確認しましょう。

第887条  被相続人の子は、相続人となる。
    2  (省略)

第889条  次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場
       合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
    一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者
       を先にする。
    二  被相続人の兄弟姉妹
    2  (省略)

第887条により第1順位の血縁相続人は、子となります。次いで第889条にて、子がいなかった場合は直系尊属(親・祖父母等)を相続人とし、さらに直系尊属もいなかった場合に兄弟姉妹が相続人であることを規定しております。

第1順位の子については、実子・養子、性別、長幼、既未婚、氏、嫡出・非嫡出等の別は、子の相続権について区別されません。子が数人いれば、同順位で相続することとなります。ただし、現行法制下では、嫡出子と非嫡出子の間には、相続分について異なることとなっています(嫡出子等については、別の回にて)。

子が次代を担うことについては、一般の方なら、なんら依存はないと思います。
ここで問題になるのは、子が複数いた場合に親は「長男が継ぐ」という認識があっても、子は「平等にもらう」という認識のギャップです。
親は、「大した財産がないし始末は長男がなんとかするだろう」と思いつつ旅立っていきますが、その後にもめるようです。
遺産が100万~200万円程度でも、家庭裁判所に駆け込むケースは増加傾向のようです。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月13日 月曜日

相続と民法 その4

ここからは相続人に関する話です。

第886条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
      2   前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

 民法の相続人に関する規定で、条文番号で先に記載されてくるものは、一般的には少ないであろう
胎児に関する規定です。
 相続開始があった時に、胎児であれば当然に権利能力がありません。よって、本来は相続能力もないと考えられるのですが、
生まれてくるであろう胎児を保護するために「生まれたものとみなす」こととしています。
 当然に生きて生まれる前提なので、残念ながら死産となった場合には適用されません。

現代社会では僅少かもしれませんが、ドラマや小説においては、
いわゆる愛人さんが妊娠しているときに、相手の資産家男性が死亡してしまうといったサスペンス系の話がありますね。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月 3日 金曜日

相続と民法 その3

今回は、相続に関する権利の時効の話。

第884条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。

自分が正当な相続人であるにもかかわらず、相続から除外されていた事実を知ったときから5年間、不真正な相続人に対して、自分の相続権を主張し、相続財産の回復を請求しなければ、時効によりその権利は消滅してしまいます。
また、その相続が発生した日から20年間(相続から除外された事実を知らなかった場合であっても)、同様に相続財産の回復の請求を行わなかった場合には、権利は消滅してしまいます。

相続にかかる財産関係の早期安定をはかって、取引の安全性を確保するためです。

20年前の相続で、自分が相続人だったと今知っても、「残念ながら、時効です」と言われてしまいます。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月26日 金曜日

相続と民法 その2

さて、相続に関する民法規定の2回目です。

第883条 相続は、被相続人の住所において開始する。

一般的に、相続について「いつの時点で」ということの認識は理解されていると思いますが、「どの場所で」という認識はあまりないものと思われます。
民法規定によれば、相続は、被相続人の死亡した場所や財産のある場所ではなく、被相続人の住所で開始されます。
これは、相続事件の裁判管轄の基準を定めることを目的としているためです。
相続税の申告においても、被相続人の最後(死亡時の意味)の住所地を所轄する税務署に、相続税の申告書を提出します。

死亡した場所が裁判所の管轄になるとしたらどうでしょう?
北海道の住民が旅行先の沖縄で死亡した場合において、相続の争いを解決する裁判所が沖縄では、これは大変です。
これが、外国だったら・・・。

住所で開始する意味は大事ですね。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月19日 金曜日

相続と民法 その1

相続に関しては、民法に規定があります。民法に基づいて、他の諸法令も整備等されておりますので、民法を少し理解しましょう。
相続に関しての条文は、第882条から始まります。

第882条 相続は、死亡によって開始する。

現代日本社会においては、相続は、(自然)人が死亡した事実を原因として発生します。原則、死亡していなければ、発生しません。

江戸時代等の家督相続制度下では「隠居」という制度がありましたので、死亡しなくても相続が発生したといえますが、現代日本社会ではそうではありません。
テレビ時代劇番組に水戸のご老公が諸国漫遊するというお話がありますが、当時の時代考証から考えると家督「相続」は終わっていますが、現代日本社会に置き換えてみると、死亡するまで相続は発生しません。

相続は死亡したことにより直ちに発生します。この相続が開始した時期(日)が、非常に重要です。

小職のような事務方は、通常、戸籍や住民票に記載された死亡の日をもって、相続開始の時期(日)と判断します。
戸籍の死亡日と住民票の死亡日が不一致な場合等の特殊な場合は、総合的に検討した上で判断します。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月12日 金曜日

相続とは

 さて、相続とはどのようなことでしょうか。
 相続とは、(自然)人が死亡した場合に、その者に帰属していた財産的権利及び義務が、その死亡した者と一定の親族的身分関係を有していた者に、承継されることをいいます。
 この場合の、財産上の権利及び義務を承継される人(死亡した者)を被相続人(ひそうぞくにん)といい、承継する人を相続人(そうぞくにん)といいます。
 一般的には、預貯金や土地・家屋等の(もらってうれしい?)財産を思い浮かべますが、借入金や(特に引き継ぎたくない?)連帯保証人等の義務も該当します。

相続のご相談、法人の新規設立、税に関するセカンドオピニオンのご用命は税理士法人早川・平会計までどうぞ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

アクセス

東京都千代田区神田司町2-10 
安和司町ビル2F
JR神田駅徒歩5分・淡路町駅徒歩1分
営業時間:平日9:00~18:00

お問い合わせ 詳しくはこちら